憂鬱の科学

デジタル化時代と人名漢字


 わが国事務職の女子の間で語り継がれている掟の一つに、お客様の名前を著す漢字に対してお客様のご申告遊ばされた字体を枉げて常用漢字に置き換えてはならぬというものが在ります・・・

 タカハシ様のタカは高ではなく髙でなくてはならず、ヤマザキ様のサキもまた﨑と記されておれば崎としてはならず、サイトウ様のサイは斉でなく齋、クロサワ様のサワもまた沢でなくして澤、ワタナベ様のナベもまたまた辺でなく邊、また或る時は邉とし、恰も創価学会のお檀徒さんが折伏されちゃうみたい・・・

 然程、門地・家柄を尊ぶ気風を令和の時代にも護り通すわが国の醇風美俗は半世紀以上も護憲を叫び徹してきた野党と等しく、今や与党に転じた公明党の母体にも通ずる中国共産党の統治と軌を一にした強権制を揮っとりますが、庶民の門地・家柄を著す人名は実印に使う筆画数の多い漢字を尊ぶとする態度には、イスラム教社会の頑迷な原理主義者にもまた通ずるものを見出しますわぁ。

 よっぽど家柄に固執したものか、今の時代に家名を著す漢字には徹底して常用漢字を排斥し、筆画数の多い字体を護らんとする態度は甚だ迷惑千万な狂信性を痛感させ、それもわが国における印鑑登録制度が推して崩さない支えになっているものかと思わせる処です。

 最近になって漸く政府の要人らから、官公署でのハンコの使用を止める動きが出てまいりましたが、何よりも登録印鑑制度や印鑑証明の交付などといった慣行が建設的に廃棄される日を待ち望んで已みません。
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  2. 2021/03/13(土)
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