憂鬱の科学

グローバリゼーション


福島第一原発の汚染水タンク TOSHIBA 松山英樹 福島第一原発の汚染水タンク
 昨13日、日本政府は長らく焦眉の懸案としていた福島第一原発の処理水を遂に海洋放出する方針を決めた。

 自然、北海道・東北の漁業関係者らから轟々たる非難が沸き立ち、近隣諸国のロシア・中国・韓国からの非難も沸々と出始めている。

 日本政府が3・11の大事故に至るまで長らく原子力発電事業の推進に前向きであったのは資本の都合に迎合してきたからだと言えよう。

 需給関係から市場で価格が決定される自由財に対して、価格に対する需給の情報を集約し難くする為に市場で自由に売買が成り立たない公共財は公共部門が価格を設定して供給を図るものだ。

 しかし、公共部門が設定する価格に関する考え方は供給側が補填されるべき投資総額の回収率と需要側が幾らの金額迄であったならば払う価値を認め得るかといった利便性の平衡を念頭に置きながらも、所詮供給側が補填を受ける投資回収率、即ち固定資産の減価償却費だけが目に顕わであって、需要側の利便性を具体的に金額化することは甚だ困難な事情が在った。

 為に、ジョン・モルガンがアメリカの諸産業において果たしたのと同じ仕業で発明王エジソンを後援した時、エジソンの執事を務めたサミュエル・インサルは電力業界での寡占化を推し進めることに大きな力を尽くした。

 公共財に関する研究が進み、スマート・グリッドの進展を見る今、電力事業の寡占化を進めた往年のモルガン・エジソン・インサルらへの批判は強く、その延長上に大戦後の原発事業の発展があったと指摘されている。

 わが民族資本を代表する屈指の名門企業たる東芝もまた優れた技術力を供給の寡占化に尽くす原発事業に与ってきたが、2016年アメリカにおける原発事業で巨額の損失を計上し、社運を一気に傾けた。

 歴史が進展する波に呑まれんとした東芝を救済すべく招聘されたのは三井住友銀副頭取を経て、英系投資ファンドの日本法人代表を務めた車谷暢昭社長であったが、今月6日、東芝は車谷社長がトップを務めた英系投資ファンドから買収の提案を受けた。

 斯様な最中に東芝は車谷社長の辞任を公にし、前社長の社長への復帰を伝えた。

 内に在っては庶民から、外に向かっては近隣諸国の政府から弾かれ出している日本を代表する諸組織も、一元化しつつある市場の需要サイドに適合した施策を求められている。

 タイガー・ウッズが大怪我をしてお休みしたお蔭も有ったけど、日本人が世界のプロ・ゴルフ界で頂点に立った快挙を思えば、時代は供給側にもグローバルな一元化を迫っているだけに、持てる力の限りで能う処を熟していくのが賢明なことと思われる。
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  2. 2021/04/14(水)
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